• テキストサイズ

イケメン戦国《私だけを囲うひと》

第2章 秘め事



秘密の多い光秀さんを非難すると、そんなものだろうと彼から言い返された。

「お前はないのか?誰にも言っていない秘め事は」

「私はないですよ、善良な人間なので」

キッパリと答える私を見て、光秀さんの口元が上がった。

「本当か?胸に手を当てて考えてみろ」

「ありませんよ、絶対…」

と言った後で、あっと勝手に声が出た。
光秀さんがふっと笑う。

「やはり、あったか。なんだ?」

「…今朝、信長様の金平糖をつまみ食いしてしまいました」

恥ずかしくて下を向きながら答えると、上から笑い声がした。

光秀さんが声を出して笑うなんて珍しい。
私が驚いて顔を上げると、

「……まったく。お前は、どこまで可愛いのだ」

そう言って眉を下げると、私を優しく見つめた。
見つめるその視線が、からかうようでいて、どこか柔らかい。

「……そんな顔をするな」

光秀さんはそう言いながら、指先で私の顎に触れた。

「善良だなどと胸を張るからだ」

……近い。
さっきまでの笑い声が、嘘のように静まり返った。


/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp