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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】



『恵、明日は任務あるの?』

下着のホックをつけながら、雫はいつもと変わらず、にこやかに俺に話しかける。

「今のところ入ってないが…
急に呼び出されたりとかあるからな。それに備えていようとは思ってる。」

『そっか。』

俺も部屋着に着替えようと、Tシャツを被る。


互いに服を着始めるこの時間が…俺は大嫌いだ。


『恵…』

制服まで着終えた雫が俺に抱きついてくる。

『今日もありがとう。おやすみ。』


頬に軽く口付けられ、抱きしめたくて腕を回そうとすると、するりと離れていく雫。

『あ、ごめんね…』

焦った雫がまた俺を抱きしめる。


「いや…タイミング悪かった。」

雫をぎゅっと抱きしめると、胸がチクリと痛くなった。

「おやすみ。また…明後日な。」

うん、と微笑み、雫が出ていくと、とたんに色を失ったようにシン…と静まり返る部屋。


「ありがとう…か。」





雫は俺と虎杖、釘崎よりも少し遅れて仲間になった。
俺は全然興味がなかったが、女子が入るとあって釘崎も虎杖もテンションが上がっていた。

五条先生と一緒に初めて教室に入ってきた雫を見た時。



「何よ…私より美人とかいらねーんだけど…」

釘崎かボソリと言った言葉通り、その場にいた俺も虎杖も一瞬にして雫の容姿に心を奪われた。

『悠木雫です。よろしくお願いします。』


高く澄んだ声で、恥ずかしそうに自己紹介をした雫だったが、話してみると気さくで、頭も良く、術式の使い方も高度で、意外に大食いで、運動神経もかなり良くて…

あっという間に昔からの馴染のように溶け込んだ。

皆、雫の笑顔に元気づけられ、癒やされていた。



が…しばらくして雫はおかしくなった。

朝からの授業に遅刻して来たり、来てもずっと寝ていたりした。目に見えて痩せ、注意散漫になり、遂には任務中に大怪我を負ってしまった。


「雫はしばらくお休みするからね。」

五条先生の真剣な顔つきに、俺達は益々心配になったが、家から通っていた雫に会う術がなかった。

仲間が傷ついていても毎日は容赦なくやってくるし、呪霊が減るわけでもない。
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