第4章 アングレカム【五条悟・教師編】
私をヒョイっと抱き上げ、部屋に入ると鍵を閉める先生。
「さて…」
床に降ろした私を見つめながら、一瞬にして瞳を輝かせる。
「とりあえず、お風呂入ろうか。一緒にっ。」
『…っ…一緒に?嫌だ…恥ずかしいっ…』
「えー、何でよ。想い合ってるんだからいいじゃない。」
『嫌だっ…別々がいい、絶対。
ってか、何でお風呂…っ?』
「えー、それは……」
耳元に口を寄せる先生。
『雫のあんなとこやこんなとこ、いっぱい可愛がりたいしさ…初めてだろうから、指だけじゃちょっと…心もとないよね…」
レロレロと舌を出して見せる先生が厭らしくて顔が赤らむ。
『……っ…』
「まぁ、いいや。先に入って。その後僕が入るよ。
こんな事で喧嘩したくないし。」
優しく頬に口付けると、先生はタオルを出してくれた。
横になってて、と言われたベッドで休ませてもらうと、先生の香りがして頬が緩む。
先生に抱きしめられているようで心地よくて、安心してウトウトしてしまった。
「……。雫…。」
『先……生…?』
「疲れてる?」
『ううん…ベッドから先生の香りがして…安心して休んじゃいました。』
へへっ、と笑うと、急に真面目な顔つきになった先生。
「………」
『五条先生…?』
side 五条
自分で言ったからには守らなきゃね…
雫と契約を結んだ時に自分で約束した内容。
絶対に挿れない…雫の処女を守る…
おしおきと称してエッチな事をさせた時。
メイド服を着た雫のナカに触れた時。
無理だと思った。
思ったからもうそういう事はせず、雫との時間を大切にしようと決めた。
恵のことは気にはなったけれど、楽しそうにする雫を見て、何となく安心はしていたんだよね。
そして…
雫のお母さんから退院するのだというメッセージを受けて、何か…特別な事をしたくなって花屋に行ったんだ。
花言葉なんて全然知らないけれど、店員さんが教えてくれた花が可愛らしくて、花言葉もしっくりきて、購入した。
きちんと想いを伝えようと思ったんだ。
「雫…
僕が雫を好きだって、ずっとわからなかったの?」