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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第4章 アングレカム【五条悟・教師編】



「少なくとも私や虎杖にはお世辞にも愛想がいいとは言えないし、いつも喧嘩腰だし、優しいなんて思った事もないわね。」

『そうなんだ…』

「全部雫の為なのよ。雫が中心なの。」


『そんな事っ…』

「だからさぁ、あんな奴があんたには唯一誠実なんだから、その想いは本物ってコトよね。
あんたを想う気持ちだけは認めるわ、私も伏黒の事。」

『………』


「いいんじゃない?顔も悪くないし。私のタイプじゃないけど。」

『ん……』

「他に好きな人でもいんの?」

『えっ…いないよ…』

「じゃあいいじゃない、付き合っちゃえば。」

『うーん……』

「まぁ、じっくり考えてもいいけどね。あんたがそういう気持ちになるまで。」


恵の優しさが私にだけ向けられていたなんて、考えてもみなかった。
恵が彼氏なら楽しそうだし、幸せなんだろうな。


けど…
私も恵が好き、と強く思えるまでは付き合うのは違うのかもしれない。

携帯に目をやると、恵からのメッセージに気づく。


"昨日の事、ごめんな。返事はゆっくり考えてくれたらいい。待ってる。"

改行もない、淡々とした内容に笑ってしまう。
私は安心して、とろとろと眠りについた。




「お帰り、二人共。僕がいなくても大丈夫だった?」

「余裕、余裕。まぁ、雫はちょっと油断したけどね。」

『ホントに…危なかったので気合を入れ直さなければ、と思いました…』

「そう……」

食堂で野薔薇と二人、昼食をとっていると、五条先生から連絡が入った。


"今夜、部屋においで。"

この間の事もある。少し警戒しなければ…そう思ったけれど、私に任されたのは部屋の掃除だけだった。

「ありがとう、お疲れ様。」

『はい……』

綺麗になった部屋で、先生がおもむろに箱を取り出した。

「これ、今日街で買ったんだけど、雫好き?」

『えっ……このクッキー、テレビで見たことあります。なかなか買えないやつですよね?凄い…先生並んだんですか?』

「ちょうどそっち方面に用事があってね。一緒に食べよう。」

『…っ…やったぁ、ありがとうございます。』


お茶を淹れ、二人でカラフルなクッキーに手を伸ばす。

『美味しいですっ…』

「ふふっ、それならよかった…」

先生とこんな風にお茶をするなんて初めてだ。
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