第4章 アングレカム【五条悟・教師編】
「それは…そうですけど。」
「まぁ、恵の覚悟はわかったよ。」
嫌っていう程にね。
恵が出て行った静かな部屋の中で椅子に座ると、頭の中を整理するために目隠しを外した。
side 雫
流石に昨日の事は私の中で衝撃度が高く、恵の顔も先生の顔もなかなか見れなかった。
夕ご飯を食べに食堂に出ていくこともできず、悠仁と野薔薇に心配をかけてしまった。
「雫、大丈夫?今日の午後から任務行けそ?」
『野薔薇…うん、すっかり元気だよ。心配かけてごめんね。』
「ふーん」
『……?』
なぜ野薔薇がニヤニヤするのかわからなかったけれど、今日は一緒に泊まるのだから聞いてみよう、と思った。
「二人共、気をつけるんだよ。
不測の事態が起きたらすぐに連絡するように。」
「へーい」
『はい…』
五条先生も恵も普通だった。
けど二人は何だかあまり話していないような…?
昨夜、五条先生からは服を捨てておくように、と連絡が入った。お母さんの様子は僕が見に行くから安心して、とも。
とりあえず自分が今やるべき事は、任務を滞りなく遂行すること。
午前中の座学を終え、野薔薇と二人、遠方任務に向かった。
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「つっかれたわねー、今日も。」
『野薔薇、大活躍だったもんね。最後の呪霊、気付かなかった…ありがとう。』
「ふふっ…雫を頼むって仰せつかってますので。」
『え?』
「昨日、伏黒とどうだったのよー?雫。」
私のベッドにダイブし、ぐいぐいと顔を近づける野薔薇。
『えっ…どうって…』
「もうエッチした?」
『えぇっ…エッチって…付き合ってもないのに…』
「何よ、まだなの?てか付き合ってないの?告白されてないわけ?」
『告白は…された…けど。』
「やっぱりー。で、どう答えたの?」
『どうって…』
告白されてキスもされて、胸にも触れられたなんて野薔薇には言えない…
「雫は伏黒の事、どう思ってるわけ?」
『……頼りになるな、って思うよ。優しいし、よく気がつくし、面白いし、自分より周り、って所も尊敬してる…』
「へぇー」
『なっ…何?』
「それ全部、雫だからでしょ。」
『……?』