第4章 アングレカム【五条悟・教師編】
雫が喜ぶなら、どんな事でもしてやりたいと思うし、傷つくことからは守ってやりたい。
『恵…着たよ…』
コスプレが雫の趣味だったなんて、全くの初耳だった。
胸元が大きく開き、腹周りが絞られていて、絶対に胸がとんでもないことになるやつ…
俺だって男だ。そういうDVDや動画を見ないわけではないし、中学時代はそれなりにやんちゃもしていた。
女との経験も少なくはない。
けど尖っていたあの頃とは違い、多少落ち着いた高1のタイミングで雫に出会い、恐らく好意を持った。
ゆっくり、時間をかけて思いを伝えたらいい。
そう思っていたのに…
メイド服姿の雫を前にし、理性が吹き飛びそうになる。
「…あ…あぁ…」
『変でしょ…?っていうか、これ…合ってる…の?』
「合ってるんじゃ…ねぇの?」
何で顔を赤らめるんだ。反則だろ…
胸が引き上げられ、くっきりと谷間ができていて、触っていないのに柔らかさがわかる。
下着が見えそうなくらい短いスカートからは細くて白い太腿がのぞき、ニーハイソックスがエロさを助長させる。
「…いつも着てるんじゃないのかよ。」
『初めて…着たの。』
「…は?」
コンコンコン…
遠慮がちにドアがノックされる。
『…っ…どうしよう恵…誰か来ちゃった…』
「っ…とりあえずベッドん中入れ。適当に話しとく。出てもいいよな?」
雫の了解を得て、ゆっくりとドアを開ける。
「はい…」
「は?伏黒?何でアンタがここにいんのよ。」
「俺が心配して来たらダメなのかよ…」
「お、ホントだ。伏黒ー。
お前も雫んとこ、来てたんだな。」
二人共、飲み物や菓子が入った袋を下げている。
「雫、さっきまで起きてたんだが…今また寝たところなんだ…俺もそろそろ戻ろうかと思ってる。」
「あっそ、お疲れー。
あたし代わるわ。明日から私達、遠方任務なの。疲れていてろくに支度もできないだろうから、私がやる。」
入ってこようとする釘崎を止めようと、足を出す。
「ちょっと…何よこの足…?」
「お前話聞いてたか?
雫は寝てるっつってんだろ。
ガタガタやり始めたら起きちまうだろうが。」