第4章 アングレカム【五条悟・教師編】
『本物がこういう事してるところ…初めて見た…』
漫画でなら、ソフトなエッチシーンは何回か見たことがあるけれど、生身の人間が絡んでいるシーンはかなり生々しい。
『すごい…』
ゴクリと唾を飲んで再生ボタンをクリックする。
「ぁっ…あぁんっ…ゃぁっ…はぁん…」
繋がった部分がアップで映り、パンパン、と肌のぶつかる音と嬌声が続く。
男性の吐息、女性の秘部や胸をまさぐる手つき、目が離せなくて、ドキドキしながら口を押さえる。
男性が思い切り振り抜き、動きが止まったかと思ったら…
しばらくして女性のナカから性器が抜き取られ、少しすると白い体液が溢れてきた。
『えっ……』
昨日五条先生が出した物と同じ…その正体は私だってわかる。
『ナカに…精液を出したら赤ちゃんができちゃうんじゃ…』
驚きとハテナマークがぐるぐると頭の中を回っていると
コンコン…
控えめにドアをノックする音が聞こえた。
『っ…誰か来た…』
イケナイものを見ていた気持ちになり、体がビクッとする。急いでパソコンを閉じた。
『はーい…』
ドアを開けると、ノートとお菓子を手にした人物が立っていた。
『恵…』
「体の調子、どうなんだ…
疲れてたのか?お前が居眠りとか珍しいだろ。これ、今日のノート。」
手渡されたノートを手に取り、中を見ると確かに私が記録していない板書が書いてある。意外に綺麗な恵の字は、ギャップがあって密かに可愛いと思っている。
『ありがとう、恵。昨日ちょっと寝付けなくて…でも授業中ちゃんと寝たからもう大丈夫だよ。』
へらっと笑うと、安心したように恵も笑う。
「無理するなよ。明日から釘崎と遠方任務だったろ。面倒な呪霊は全部、釘崎に任せたらいい。」
何それ?と笑いながら、お菓子も受け取る。
『ちょっと中、入る?』
「あぁ…じゃあ少し。」
パソコンは閉じた。変な所はない。恵の後ろ姿を見て、ハタと思い出して血の気が引いていく。
『あっ……恵待って…ちょっと待ってっ…』
「…何だ…これ?」
遅かった。
ベッドの上に広げられたメイド服を見て固まる恵。それを見た私も固まる。
…誤魔化さなきゃ……
『あ……やだな、見られちゃった。
実はこういう服を着て…部屋で写真撮ったり一人で過ごしたりするのが趣味でねっ。恥ずかしいから悠仁や野薔薇には言わないで…?』