第4章 アングレカム【五条悟・教師編】
味のしない夕飯を、もそもそと口に運んだ。
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ピンポン
「入って。」
ガチャ…
「早かったね。ご飯しっかり食べた?」
『はい……』
「何?暗い顔して。とりあえず入りなよ。」
先生はお風呂に入った後なのか、良い香りがして、Tシャツにパンツ、サングラスで完全オフモード。
椅子に座り、長い足を組むと、電話をしながらローテーブルの前に座るよう促した。
『………』
「はい、電話終ーわりっ。
ごめんね。さっき僕が壊した建物の壁の事、伊地知に話してたんだ。報告しないと後からうるさくてさー…って座らないの?」
『先生…私……退学ですか…?』
「ん?」
『謹慎とか停学とか…どんな罰でも受けます。なので…辞めさせないでください…』
side 五条
グスっと鼻をすすり、涙目で訴える雫の姿に驚いた。
「…雫、いいから座って。」
ローテーブルの前の座布団に座らせると、僕も隣に座った。
「罰を与える為に呼んだんじゃないんだけど。」
『……ぇ?』
「早とちりしないでよ。雫、お母さんの治療費は僕がもつことにしたから。」
そう言うと、雫の大きな目は更に開かれ、ブラウンの瞳が揺れた。
『五条…先生が?』
「そう、上と掛け合ったけど、給料の前借りはできないとか言うし、放っておいたら雫、悪い大人に騙されてついて行っちゃいそうだし。担任として、生徒を守るのは当たり前でしょ?」
ね?とニッコリ笑って見せると、僕の視界は急に暗くなった。
『…っ…ありがとうございます。』
うっ、うっ、と嗚咽しながら僕に抱きつく雫の背中に手を回すと、優しく包みこんだ。
こんなに細いのに柔らかい体。
胸には雫の膨らみをしっかりと感じる。
やめてよ…
僕の悪い部分が、顔をのぞかせちゃうじゃない。
「けどさ、雫…」
スルスルと上着を捲り、直にウエストに触れる。
『っ…先…生?』
「何もしないでただ援助を受けるって、気が引けない?」
『どういう…ことですか?』
「んー…これをしてるんだから、援助を受けて当たり前、って事にした方が良くない?ってコト。」
ウエストから一気に胸に手を伸ばし、膨らみを支えるレースを押し上げた。