第3章 ヘブンロード【七海建人・高専編】
「抱きしめたんですね…」
『建人……怒ってるの…?』
「怒ってません…ただ…」
嫉妬はしている、恐ろしいほどに。
「女性を抱きしめるだけであの人が終わると思えませんが。」
『………』
「話してください、雫。」
『…っ変な事だから話したくない、恥ずかしい。この話終わろう?』
「…っ…」
顔を隠そうと布団を被ろうとするのを制し、雫の上に覆い被さる。
「…雫…昼の事ですが、今雫の口から…気持ちを聞かせて貰ってもいいですか?」
"雫の事が好きです。"
驚いて潤んだ瞳が私を捉える。
『…私も…建人が好きだよ。建人が好きだって気付いて…雄と一緒にいるのが苦しくて…別れた。
なのに…建人は私にキスした理由も言ってくれなくて、しかも忘れろって…んっ…』
雫の小さな口を塞ぐ。
角度を変えて、何度も、何度も。
唇を離し、額を軽くつけて囁く。
「誤魔化して…申し訳なかったと思っています。まさか想い合っているとは思わなくて…迷惑かけたくなかったんです。雫にも、灰原にも。」
『ぅっ…許すって…言ってないから。』
「どうしたら許してくれますか?」
『抱きしめて。いっぱい…』
「……その先もしていいなら。」
首にそっと、細い腕が回される。
『…して……その先も。』
そこからはもう、歯止めをかけなくて良いと言われたような気がして、夢中で雫の口内に舌を這わせた。
『んっ…けん…とっ…』
後頭部、髪…雫に触れられているだけで体が熱くなり、中心が昂る。
浴衣ごしに胸に触れると、ピクリと震える体。
紐を解き、ゆっくりと合わせを開くと淡いブルーの下着に包まれた、豊かな双丘が現れた。
「雫…綺麗です。」
下着に収まらない胸の膨らみに舌を這わせながら、やわやわと全体を揉みしだき、ホックに手をのばす。
『ぁっ…建人…恥ずかしい…』
「…大丈夫、私も脱ぎますから。」
浴衣を脱ぎ去り、下着一枚になると再び雫に口付けた。