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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第3章 ヘブンロード【七海建人・高専編】


『…痛っ…何?』

「なぜ灰原と別れたんですか?」

『………』

「私のせいですか?」

『…ちがっ…』

「灰原の所に行きましょう。この間のこと…灰原に正直に話します。どうせ罪悪感で別れるなんで言ったのでしょう?悪いのは私です。2人には何の罪もない。」

再び雫の腕を掴み、灰原の部屋に向かおうとすると抵抗する雫。

『…っやめて…頼んでない、そんな事。』

「もっと早くに言うべきでした。」

『雄との事は私達の問題なの…首突っ込まないでよ。』

「だったらせめて理由を聞いても?なぜ突然そんなことになったのですか。」

『…………ない…』

「…?」

『建人に関係ない…私だって……教えてほしいのに。
何でこの前私に……キス…したの?』

大きな瞳からは涙がぽろぽろと溢れ出ている。


「それは…」

言えるはずない。言ったらいけない。

『ふふっ、意外…誰にでもするんだね、建人は…』

「っ…そんなわけないでしょう…」

雫の両肩を掴むと、ビクっと震えたのがわかった。

「私は……」



「七海っ…雫、どうしたの?何かあったの?二人共。喧嘩…?とにかく一旦落ち着こう。」

心配して追いかけてきてくれた夏油さんに宥められ、話をしようと部屋の方に無理矢理向かわされる。雫は泣きながら家入さんに抱えられ、女子寮に向かっていった。

こんなに周りの人間を巻き込んで、雫を泣かせ、灰原を裏切った。


何て…最低なんだろうな…
空回りが過ぎる自分自身に嫌気がさし

そっと…

雫への気持ちは心の中に閉じ込めようと思った。
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