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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第3章 ヘブンロード【七海建人・高専編】


「七海、からかって悪かった。
お前が変わったっていうのは、いい意味じゃない。辛そうに見える。呪力に迷いがあって、こう…波みたいなんだよな。」

「っ…」

「当たり?でさ、最近お前と同じような呪力してんのが雫。」

「雫が…?」

「んー。何を悩んでんのかまではわかんねぇけど…
ほらアイツ、色々抱えてっからそれかな?って最初思ったんだけどさ、前より何か…良くねぇんだよな…」

「五条さんそれは…確かな情報ですよね?」

「あぁ、俺の六眼にかけてな。何度も言ってっけど理由はわかんねぇよ?」

最近調子が良いと言っていたのは、周りに心配をかけないための嘘…?感情を隠すのが普通になっている雫ならありえなくはない。

何か辛いことがあるのだろうか。
私達に言えない事…?

「五条さん…」

「ん?」

「…ありがとうございます…」

「ははっ、こりゃ雨降るね…」

空になった缶を捨て、雫の部屋に向かった。



コンコンとドアを叩くと、奥から高い声が聞こえる。

『はぁい…って建人…?!』

「雫、少し話せますか?」

『え…うん。どうしたの?何か約束してたっけ?』

「いえ…約束は特に。」

何も考えずにここまで来てしまった自分自身に一番驚いている。しかも五条さんの言う事なんて、信じられるかわからないというのに…

『ふふっ、とにかく入って。今課題やってたんだ。』

雫の部屋には何度も来ているのに何でしょう、この緊張は。一人で来たのが初めてだからでしょうか。


『はい、紅茶。この間、建人が勧めてくれたの、凄く美味しくて沢山買っちゃったよ。教えてくれてありがとう。』

ニコニコと、紅茶を啜る雫。
特に変わった様子はないように思うが…


「雫…最近何か悩んでいることはないですか?辛く思っていることとか。」

『っ……えっ…なっ悩み…⁉』

雫の手からカップが滑り落ち、熱い紅茶が床に飛び散った。

『っ…あつっ…』

「…っ…何してるんですか」

拭くものを探すと背後にティッシュの箱を見つけ、早く渡そうと振り返ると、箱を目掛けて突進してきた雫とぶつかる。

『えっ……』

「…っ……」
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