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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第3章 ヘブンロード【七海建人・高専編】



遠方任務後、雫は弱い部分や怖いと思っている事、不安な事など、自分の事をよく話してくれるようになった。
勿論私も馬鹿にするような事はせず、受容し、理解しようと努めた。

雫は以前より体も心も調子が良いのだとよく笑い、祓除も順調に見えた。


「七海、最近何だか雰囲気変わったね。」

「夏油さん…」

体術訓練後、自販機の前で灰原と飲み物を飲んでいると、任務から帰って来た夏油さんに声をかけられた。

「夏油さんっ…!お疲れ様です。」

パっと目を輝かせ、嬉しそうに反応する灰原。

「ふふっ、いつも元気だね、灰原は。」

「自分、元気がいいのが取り柄なんでっ。」

「うん、いいね。見ているこっちまで元気になるよ。」

「行き過ぎると暑苦しいけどな…」

ガタン、と落ちてきたスポーツ飲料を手に取り、グビグビと飲み干す五条さん。

相変わらず…
この人の気配は感知できない。

「悟、言い方。こんな仕事なんだ。元気がいい子がいると、明るくなって助かるよ…」

そう言う夏油さんは、最近少し痩せた気がする。
気のせいか…?

「ありがとうございますっ。
夏油さん、お疲れのところ申し訳ないんですが…
この間約束した近接戦闘のトレーニング、今からほんの少しお願いできませんか?」

「ははっ、本当に元気だな灰原は。私は全然構わないよ。少しやるかい?」

「はいっ…お願いします。」

五条さんと2人きりになりたくないので、さっさと部屋に戻ろうとすると…

「俺も思ったんだよね。最近の七海が何か違うの。」

「…そうですか?」

「うん。何かさぁ…」

サングラスを下にズラし、青い目で私をじっと見つめる五条さん。

「…何ですか?急…」

「お前、恋してるっしょ?」

「はっ?」

「あ、呪力めっちゃ乱れた。図星か。適当に言ったのに。で、誰?」

ケラケラと笑いながら、興味もなさそうに聞いてくる。

「言うわけないでしょ…」

「えー、そっか。って、あ、雫ー!こっち、こっち!」

「っ……」

五条さんが手を振る方に目をやると、そこには体術の訓練をする灰原と夏油さんの姿のみ。

「あれ?雫がいるように見えたんだけど、気のせいだったみたい。」


「………戻ります。」

この人に付き合っていても、建設的な事は何も生まれない。
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