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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第2章 青く澄んだ空【五条悟・高専編】



俺はベッドに上がり、雫の両手を強く引っ張るとベッドに縫いつけた。

『っ…痛……』


「今からお前のこと抱く…
嫌っつってもやめねぇ。だから泣きやむ必要なんてねぇよ。自分勝手で最低な俺のせいにしたらいい。」

サングラスを外して床に投げ捨て、真剣な顔つきで雫を見下ろすと、驚いてカタカタと震えているのがわかった。

『…わかっ…た…泣き止む…離して…悟…』

「無理すんな。
泣き止めてねぇし泣き止む必要ねぇっつったろ。」

頬を伝い続ける涙を拭ってやると、雫が俺の胸に触れた。

俺は…どうせ押すだけだろうと油断していた。

パチっ…

「…っ…」



side 雫

………何?今の………

普段と違う悟が怖くて、友達には絶対に使わないと約束していた術式を使った。

「……やられたな…読んだの?」

私の術式は読心呪法。自分の体の一部に相手の体の一部が触れていれば相手の術式、記憶、思いが一瞬にして読める。
長く触れていればいる程、よりたくさんの情報が映像のように流れてくる。

螺旋状であったり、散りばめられていたり、びっしりと敷き詰められていたりする記憶や思いは、悟の場合フラッシュカードのように瞬間的だった。

涙の粒が止めどなくポロポロと溢れ出す。

『さ…とる……』

「…何で泣くんだよ」


私は何て浅はかで


自己中心的で


鈍感な人間なんだろう。


『ごめっ…悟…』

「…何が?」

悟の心の内には五条家の人達、先生、傑、硝子、たくさんの人の顔があった。

けれど一番多く悟の心の中にいたのは……


私だった。


硝子や傑と笑い合いながらゲームをする私。

体術練習に汗を流す私。

授業中、頭を掻きながら前を見つめる私…


『…ずっと……知らなくて…』

「ハっ……バレたか。」

自嘲気味に笑い、私の涙を人差し指で拭う。

それよりも…

『傑の事…一番堪えてるの…悟なのに…』


悟に触れた時、鋭い痛みが胸を突き刺した。


底が見えない程大きな後悔…


深い深い哀しみ…


深く暗いところに、悟が1人、ぽつんと座る姿に胸が抉られた。

「自分の意思でどうしようもない事なんてさ、生まれてから今まで万とあったし…そういう時はさ、適当に蓋すりゃいんだよ。」

『悟……』

「慣れりゃいんだよ。』
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