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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】



思いは通じ合ったけれど…


泣く程俺を求める雫の前から、突然いなくなったら…

また雫を悲しませ、雫の心に傷を残すことになるかもしれない。


"…寂しくてたまらなかった"


「…っ……」

俺は雫の額に口付けると、優しく手を解き、ゆるゆると服を着た。
雫の頭にそっと触れると、振り返らずに雫の部屋を後にした。



side 雫

目覚めると悠仁の姿はなく、床に横たわっていたはずの体はベッドにあった。
体はさっぱりと拭かれ、丁寧に薄い布団がかけられていた。

布団をぎゅっと抱き締めながら思った。

結局、抱かれている間も、悠仁は口にはしてくれなかったな…


"雫、好きだ…"


あの日の言葉が嘘ではないことはわかった。
わかったけれど…

なら、なぜ口にしてくれないの?

もう恵とはいるな、って。
ずっと一緒にいよう、って。

わからない…
悠仁の事が。

体に残った気怠さと腰の痛みが昨日の情事を物語っており、目を瞑るとまたトロトロと眠りについてしまった。



ーーーーーーーーーーー


side  虎杖


「おい…アタシはコソコソする奴が嫌いなんだよ。
皆も気ぃ遣うから正直に答えろ。
嘘ついたりしらばっくれたりしたら簪お見舞いすっからな。」


雫はまだ教室に来ていなかった。
よく考えたら一昨日は自分が抱き潰し、昼に伏黒、また昨夜は自分が雫を抱いた。体を酷使しすぎている。
後悔の念がよぎった。


「何の話だ。朝っぱらからから騒々しい奴だな。」

伏黒が気だるそうに口を開いた。

「昨日雫の部屋からベッドが軋む音、…そういう事してる声が聞こえた。昼間と夜の2回も。
ったく盛ってんじゃねぇよ。つーか、ちゃんとアタシらにも説明しとけや。で、どっちだよ?雫と付き合ってんの。」

「「………」」

俺も伏黒も言葉を失った。
釘崎の部屋は雫の部屋の隣。当然声や音が漏れていてもおかしくない。

だが俺も伏黒も雫と付き合ってはいない…
夜、という言葉を聞いて瞬時に伏黒が俺を見た。

「…あのさ、釘崎……」

どうやってごまかす…?
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