第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】
『悠仁っ…待って…』
焦る雫を無視して優しくベッドに降ろすと、焦りの原因がわかり、愕然とした。
「え……これって…」
枕に残る、数多の長い髪。
少しだけ整えられてはいるものの、波が立つように乱れているシーツ。
そのシーツに無数に残る、体液の飛び散った跡。
そんなに経験がない俺にもわかる。
「…伏黒に…慰めてもらったっていうのは……」
セックスで、って事か。
別に責められないよな、付き合ってないし。
むしろ俺の振る舞いで傷つけてこうなったんだ。
自業自得。悪いのは俺だ…
『っ…軽蔑したよね…』
俯きながら暗い顔をする雫。
確かにショックではあるけど
「いや。俺のせいだろ…」
嫌いになんて到底なれない。
どれだけ好きだったと思ってるんだ。
『んっ…悠……』
雫に口付けながらベッドの下に降ろし、覆いかぶさった。
「雫、昨日は…雫の了解も得ずにしちゃったけど…今度はちゃんと聞くよ。」
潤んだ瞳が俺を捉える。
「抱いてもいい?」
まっすぐに俺を見つめ、コクンと頷いた雫の口を塞ぎ、首筋に吸い付いた。
『あんっ…そこ…』
驚いた雫は俺の頭を押したが、その腕を掴んで床に縫い付けた。
大丈夫、雫を困らせるようなことはしない。
首筋を甘噛みし、寝巻き用のTシャツを捲り上げた。
露わになった上半身のどこにも、マーキングはなかった。
雫を横にし、後ろ向きにしても、傷も印の1つもなかった。
『悠仁…?』
伏黒は…雫を大切にしている。
「雫…昨日は優しくできなくてごめんな。」
『……ううん。…悠仁……』
「ん…?」
『いっぱいシて…いっぱいギュッてして。』
両手を広げる雫を抱き締め、俺は雫の体を貪るように、意識を失うまで抱き続けた。
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浅い呼吸を繰り返し、絶対に帰らないでと泣いて訴えながら気を失ってしまった雫。
静かに寝息を立てながら、俺の手を離すまいと両手で強く握っている。
「ふっ…子供かよ。」
雫の丸い、小さな頭を優しくなでる。