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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】



「雫を助けなきゃ、って思ってああしたけど、勿論釘崎でもああしたし…何なら伏黒だって何かしら手伝ったと思う。仲間なら当然の事しただけだから…

お互い、昨日の事引っ張っても周りに気を遣わせちゃうだろうし、運が悪かったと思って忘れよう。

何かごめんな…」


『ううん…私こそ…ごめん…ね。』

声が震えた。

悠仁は表情一つ変えずにそう言うと、自分の分の食事を取りに行った。


馬鹿みたいだ。

悠仁が私を好きかもしれないと思っていたなんて。
馬鹿すぎて呆れちゃう。

引っ張る…
周りに気を遣わせる…
運が悪かった…

悠仁が言った言葉が胸に突き刺さって苦しい。
頭の中をぐるぐると反芻していて息があがる。

「っ…雫?大丈夫?顔真っ青よ。早く部屋に戻って休んだ方がいいわ。」

『あ、大丈夫…昨日の疲れがまだ抜けないのかな。午後は何もないから…ゆっくり休むね。』



ーーーーーーーーーーー


『ぐすっ…ぅっ…ふっ…』

掛け布団を頭まで被ると、我慢していた涙が溢れた。


コンコン、コンコンコン…


誰か来たけれどとても出られない。


ガチャリ

野薔薇?誰…?説明したくない…

「………」

静かにベッドの側に腰を下ろす来客。


「何があったんだ。」

『…っ……恵…?』

布団から顔を出すと、驚いた顔の恵と視線が合う。
が、すぐに表情は落ち着き、口を開いて話し始めた。

「泣く程の事が…あったのか?」

『…ううん、違うよ。ちょっと疲れて…
情緒おかしくなっちゃって…大丈夫。ありがとう…』

「そうか。」

『………』

真っすぐに私を見つめる恵。

「で、何があった?」

『………』

「話せるようになるまでここで待つ。」

『えっ…ちょっと…』

「待つから。」

恵があまりに言いきるので、可笑しくなってしまった。

『…ふっ…恵は…いつも一番に私がおかしいのに気付くね。』

「気付くだけじゃダメだけどな。」

『え…?』

「雫が前におかしくなった時、すぐに気付いた。
けど…大丈夫、ありがとう、って言葉を信じてそれ以上踏み込まなかった。
踏み込まなかった事を…今は後悔してる。
だから…今も泣いているのに大丈夫なわけないと思う。
話せるまでここで待つ。」

『…ありがとう。』

私はゆっくりと、恵に話し始めた。
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