第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】
「体はもう大丈夫?」
『はい、もう…普通です。』
「…悪かったね。」
『……え?』
「雫が昨日みたいになったらさ、僕が何とかしようと思ってたんだ。だから催淫系はプログラムしなかった。滅多にいないと思ったんだ。そんなもの使う呪霊や呪詛師。甘かったね。」
『…先生は悪くないです。嗅いだ事のない匂いがした時点で警戒すべきだったのに、吸収したのがいけなかったので…』
「昨日の記憶はあるの?」
『……あります。』
雫の困惑した表情が気になって続ける。
「悠仁に気持ち良くしてもらった?」
『…ぇっ……えっと…』
カァっと顔を赤らめ、俯く雫。
…自分から聞いたのに、思い出しているのを見るのは癪に障るね。
「好きとか言われたの?」
『それ…は………』
なるほどね。
「まぁ、男は女の子を抱いている時はその子の事が大好きだからね。普段何とも思ってなくても。種の保存が脳にインプットされてるのかな?」
『っ…そうなんですか?』
赤い顔で、真っ直ぐに僕の目を見つめる雫。
そんなに不安?
「そうだよ。雫はどうだった?まさか悠仁が好きになったわけじゃないよね?仮に好きだとか言われても、本気にしない方がいいよ。雰囲気ってあるから。」
雫の頭を撫でながらにこやかに言った。
『そう…ですよね。』
胸に当てた拳は少し震えている。
ごめんね、雫…
「ちなみに僕がそうとは限らないけどね。」
『………』
「さ、もう行きなよ。シャワーかお風呂にでも入ったら?さっぱりしてから授業においで。」
全く…この高性能なサーモグラフィーみたいな目のせいで、体の中の呪力まで見えるから嫌だよね。
悠仁はきちんと避妊したみたいだ。偉いじゃない。
軽くお辞儀をして女子寮に向かう雫。
その足取りは心なしか重い。
「あとは…」
悠仁の部屋のノブを回し、ノックもせずに中に入った。
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「入るよ。」
「とわっ…!五条先生…っ…いきなり何…?!」
悠仁は重く湿ったシーツをベッドから外している所だった。
「…随分と派手に漏らしたんだね。」
「うん…」
顔を赤らめ、シーツを丸める悠仁。