第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】
「おい、おっぱじめるなよ、こんな所で。
あー…こりゃ凄いな。匂いがするって事はかなりの量だ。
辛いだろうな。催淫系はプログラムしてなかったのか…とりあえず運んで。」
外で待機してくれていた家入さんが車を開けた。
医務室のベッドに横になった雫は焦点が定まらず、足を擦り寄せながら体が熱い、熱いと服を脱ごうとする。
「雫…大丈夫だっ、高専に着いたよ。」
服を脱ごうとする雫の手を押さえ、いくらか自分自身も安堵した。
「……伊地知は外に出てて。」
「…あ、はいっ。」
「五条に連絡してないよな?」
「っ…申し訳ありません。今すぐっ…」
「いや、しなくていい。するな。私からの命令だ。」
「…?わかりました…」
伊地知さんが出ていくと、家入さんは椅子に座り、ふう、と息を吐いた。
「端的に言う。症状からして十中八九、雫は催淫作用のある何かでこうなっている。恐らく吸収時だな。
催淫系の術式はプログラムしてなかったんだろう。
……あえてだと思うがな。」
「っ…何とかならないの?すげぇ苦しそうなんだけど。」
「ならない。放っておいても死ぬわけじゃないから。」
「そんな…」
体を震わせて俺を見つめる雫。
『悠仁……助け…て…』
「……雫…」
「…楽にしてやる方法はあるよ、虎杖…」
「っ…どうしたらいい?」
「応えてやるんだ、雫に。抱いてやれば自然と抜けるさ。」
「抱くって………」
「雫は今、自分の意思ではなくヤりたくてヤりたくてたまらなくなっている。
服がこすれただけで達してしまうような快感が強制的にずっと続いているような状態になっていて、それが辛いんだ。
助けてやるつもりなら雫もお前を責めないだろう。ただし…」
「…ただし?」
「勘違いするなよ。雫は何らかの影響でそんな状態になっているだけだ。お前が好きで、お前を求めるわけじゃない。
それを忘れると辛いのはお前だからな。
…雫が好きなんだろう?虎杖。」
「………」
「…わかったらさっさと連れて行った方がいいぞ。
過保護な担任がそろそろ異変に気づく頃かもしれない。
伊地知は嘘が苦手だ。連絡しなかった事を問い詰められたら正直に吐くだろう。」