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迷い犬

第2章 後編


「へ?お前知らなかった?」

読んでいた本から目を離して、カカシは意外そうにヤマトを見上げた。

カスミのことが気になり、上忍待機所に立ち寄った時のことだ。カカシなら何か知っているだろうとヤマトが問いかけたところ、そんな答えが返ってきた。

「ま、俺も詳しくは知らないけどさ。彼女、今暗部の任務は外されてるらしいよ」
「何でまた…」

カスミは、暗部での任務歴が五、六年はあるくノ一だ。

彼女は三代目在任時からの所属だが、現在の五代目火影、綱手姫に幼い頃から心酔していたらしく、次期火影が彼女と知った時の喜びようは、相当なものだった。

強い女性に憧れるカスミは、綱手の支えになるならばと、一層任務に誇りを持って励んでいた。

綱手が医療忍術の第一人者であることに影響を受け、一年ほど前から医療忍術も学び始めている。今では、ある程度の外傷は治療できるほどに上達した、と聞いたことがある。

そんなカスミが、何故暗部を離れることになったのか。

不思議に思ったヤマトが続けて口を開くと、カカシはついと戸口の方に視線を向けた。

「理由が知りたいなら、直接カスミに聞けば?」
「え?」
「さっき執務室から出たのを見かけたよ。今日の任務報告が済んだみたいだったけど」

それを聞いて、ヤマトはすぐに執務室へと足を向けた。
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