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迷い犬

第1章 前編


「やあ。君たちこれから任務かい?」

見ると、二人とも手裏剣ホルスターとポーチを身に着けていた。よく任務で着用している服装で、ナルトは橙色の上着とズボン。サクラは赤色の上衣とショートパンツ。肘にはサポーター、両手に黒い保護用の手袋をしている。

「ええ。第七班として、じゃないですけどね」
「そうなんだ。じゃあ、カカシさんは?」

子犬を連れてきた手前、肝心のカカシがいないのであれば、家に置いてきた方がよかったかとヤマトは思った。少し戸惑いを見せると、ナルトが張り切った様子で答えた。

「今日は、激眉先生との共同任務なんだってばよ」
「カカシさんとは別行動ってことか。へぇ、ガイさんと…。珍しいね」

「それが人数が必要ってことだけ聞いていて、急遽私とナルトが行くことになったんです。連携も取りやすいだろうって」

まだ任務の詳細は不明らしく、サクラはそう言った後、ふっと溜息をついた。

「サイは?」
「サイはガイ班との任務経験がないからって、今回は別の任務に回されました」

「そうか…。まあ、彼は一人でも任務がこなせるからね」

サイは現在は第七班であるが、元暗部出身ということもあり、ナルトやサクラより単独での任務経験は多い。実践経験もかなり違うはずだ。そんなことをヤマトは思い出していた。

「それより、ヤマト隊長は?」

ナルトが子犬の傍にしゃがみ込み、その頭をわしゃわしゃと撫でた。子犬はナルトにされるがままになっている。フルフルとしっぽを振っているところを見ると、嫌ではないらしい。

「僕は待機かな。今日は多分任務は入らないだろうから、子犬をカカシさんの元へ連れて行くところなんだ。忍犬のパックンに頼んで、来た方角を探してくれるって話でね」
「へぇ。カカシ先生もいいところあるのね」

サクラが感心したように言い、ナルトの隣にしゃがみ込んだ。

「良かったわね」

サクラは子犬の顔を覗き込み、話しかけて頭を撫でている。子犬は嬉しそうに彼女をじっと見つめた。
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