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【H×H】恋のかたち【短編】

第1章 恋はいつも突然に(イルミ)






いつも通り仕事をこなして、ターゲットを殺した私は気を抜いていた。


それは暗殺者としてあるまじき行為で。
私はすぐに後悔した。


「きみ、シンシア?」



背後から突然かけられた声。
やっちゃったー…後ろ取られるなんて私の馬鹿。

観念してゆっくり振り返るとまた聞かれる。



「ねぇ、きみシンシアでしょ?」



抑揚のない声、表情。
ああ、彼は…


『だったら何。私を殺す?ゾルディックさん?』

「あれ、知ってるんだ、オレのこと。」

『……』



同業なら知ってて当たり前。
かの有名一家の長男なら尚のことでしょ。



「まぁいいや。依頼があってさ。シンシアを殺すように。」




うわ、こっちくるよ。
殺気がもう、ね!きついきつい!

でも悔しいから顔には出してやらないんだから。



『殺すならさっさとやればいいじゃない』

「うん、オレもそう思ったんだけど…」


首を傾げている彼。無表情で何を考えているのかさっぱりわからない。

そして、ありえないことを彼は口にした。


「ね、シンシア。うちに来ない?」



……



は?






「ねぇ聞いてる?」

『え、あの…』



何だって?うちに来ない?誰が?


何言ってんのこの人。



『ゾルディックさんのところに行くような理由はありませんが。』

「んー…きみに拒否権はないんだけど。」

『っ!?』


いつの間にか目前まで来ていた彼に、喉元を掴まれていた。
普通なら避けられたはずなのに、何この速さ。


『っ…ぐ』

「ほら、ね?」



何がほらね、だ!
かわいい顔しやがってぇぇぇぇぇぇぇ!!!



   
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