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【H×H】恋のかたち【短編】

第3章 宝物は愛でるためにある(イルミ)





18時になった。

あ、きたきた。そんなに走らなくてもいいのに。



『お、お待たせしました!』

「お疲れ。何食べたい?」

『えっと…あの…』

「ん?」

『イルミさんのお気に入りのお店に行きたいです。』



え、なにそれ、なんでそういうかわいいこと言うのかな。これはもうオレのこと好きでしょ。



「…わかった、ちょっと歩くけどいいの?」

『はい、もちろんです!』



店に向かう道中、オレもシンシアも無言。
でもなんだか居心地がいい…
シンシアの雰囲気がそう思わせるんだろうな。



『あの、イルミさん』

「なに?」

『1ヶ月のあいだ、どうしていたんですか?』

「…仕事が忙しかったから」


駆け引きとか口が裂けても言えない


『そうなんですね…私、てっきり…』

「ん?」

『他に彼女さんできたのかなって思ってました…。』



へぇそんなこと思ってたんだ
そうだ、ちょっと意地悪してみよう



「…それも考えたよ。シンシア、オレのこと好きじゃないみたいだから、他の女にしようかと思ってた」

『えっ!』

「シンシアにはずっと断られてたし」

『そ、それはその…イルミさんのことよく知らないし、ちょっと怖かったというか…』


クロロすごいな、当たってるじゃん


「…ふーん、じゃあ今は?今も怖いの?」

『いえっ!今は怖くないです…』

「…今なら断らないってこと?」

『そ、それは…』

「オレは今も変わらずシンシアが好きだよ」

『…っ!』

「シンシアは?」

『……です。』

「え?聞こえない」

『すき、ですっ!』




やっと手に入った。こんなに手こずったのシンシアが初めてだよ。



「シンシア?」

『はい…?』


ちゅ


『!?』

「もう離してあげないから覚悟してね」



こんなに苦労して手に入れた宝物、一生愛でなきゃ気が済まないよ



ね、シンシア?





≪END≫

  
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