第4章 ぼんコウモリ目線
俺たちの住処である森は人間たちにほとんど侵食され、どんどんと狭くなっていた。
けど俺はそれでもいいと思っていた。動きたくなかったし。
しかし、付き合いの長いドズルがヒリつきたいと言い出して林からどれくらい外に長くいられるか競走していたら大怪我して。そこを助けてくれたのが、今そこにいる人間の少年だ。
人間の少年は俺の怪我が治るまでずっと面倒を見てくれていた。といっても俺たちコウモリには何をされていたのかさっぱり分からないが、羽に巻いていた白い布をいつも取り替えてくれたから、多分怪我が治ったのもそれのおかげなのだろう。
その間俺はずっとこの平たい岩に留まっていたのだが、天井にぶら下がるより楽だということが分かって。俺はこうして地面に伏せるような体勢で日中を過ごしていた。