第3章 ドズルコウモリ目線
僕はドズル。というのは、ぼんさんを助けてくれた人間から名付けられたものだけど、名前を呼ばれると悪い気がしないから、僕もドズルと名乗っている。
ぼんさんが怪我したのは僕のせいでもある。人間がどんどんと住処を広げてきて僕らが暮らしていた森を小さな林にまで変えてしまい、窮屈だったのもある。だけど僕はヒリつきを求めて林と人間の世界の行き来をしてどれだけ往復出来るか競い合っていたら、突然の早く走る乗り物にぶつかってぼんさんは怪我をした。
僕はみんなを呼んでぼんさんをなんとかしようとした。だけど僕らはまだ小さかったし、ぼんさんを運ぶ力すら全然なかった。
そうしてみんなで慌てている内に、一人の人間がやって来て。仲間思いのおらふくんが真っ先に飛び出して、おんりーがそれに続いた。MENなんて真っ先に人間の髪に噛みついたくらいだ。
「俺のことはいいからみんな逃げてっ」
ぼんさんは動きづらそうに羽をばたつかせてそう言った。だけど、僕もみんなも、ぼんさんをこんなところに放って置けなかったんだ。