第2章 放課後の楽しみ
「ぼんじゅうる、元気かい」
なんて挨拶をしている内に、紫のコウモリはそれが名前だと認識したらしく、ぼんじゅうると呼ぶだけで返事をするようになった賢いコウモリだ。
それからふと横を見ると、他の四羽とは明らかに大きさも見た目も違うコウモリがその場で羽を広げて休んでいた。このコウモリも地面にいるタイプだが、それもそのはずだ。体も羽も大きいのだ。
それは手乗りというより大きいMOB側くらいあるコウモリだったが、僕は手乗りじゃなくても可愛いMOBだと思っている。だってほら、今ぼんじゅうるにイタズラを……ってちょっとちょっと、イタズラしないの!
そうして僕が大きなコウモリ……僕はMENと呼んでいる……を両腕で抱えると、すぐに大人しくなって眠ってしまった。コウモリは夜行性だから、まだ明るい時間はほとんど眠っているものなのかもしれない。
そうして僕は、その五羽のコウモリと挨拶したり遊んだり毛ずくろいをしてあげて夕方頃には家に帰るルーティンをしていた。おらふくんが毎回行かないでと言いたげに洞窟の外まで追いかけてくるが、そこにおんりーがやって来て引き止めているかのように飛び回ってお別れをするのを見るのが、僕はいつも少し寂しい気持ちになっていた。
受験して、高校に上がったら、僕はもうこの雑木林に来ることも少なくなるのかな、なんて考えながら。
僕の家の近くには高校がない。だからどうしても少し遠くへ行くしかなかった。だけど僕はMOB医になるという夢もあるから、高校に行かないという選択肢はなかった。僕はずっと悩んでいた。
今度コウモリたちに相談してみようかな。
僕はそう考えながら、家に帰って来た。