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こちら、MOB飼育係4[dzl]

第2章 放課後の楽しみ


「みんな、元気にしてる〜?」
 と僕が声を掛けると、洞窟の暗闇からいくつかの黄色い瞳が開く。それからパタパタとコウモリが飛びついてきて僕は笑った。
「はははっ、くすぐったいって」
 コウモリは野生の生き物だから一度も餌付けをしたことがないのだが、あの日手当てをしてから何度か様子を見に行く内に、懐いてくれたみたいだ。特に少し白っぽいこのコウモリは、すぐ僕の肩に留まる。僕はその子をおらふくんと名付けた。最近は自分の名前も覚えたみたいで、呼び掛けるとキィと返事をする。
 他のコウモリはある程度の距離のところで天井からぶら下がる。こっちの赤いズボンみたいなのを穿いているのはドズル。主に僕がそれぞれ見分けられるように家にあった赤い布を体に巻き付けただけのコウモリなのだが、時々自分より大きな岩を持ち上げて運んでくるから力持ちなんだと思う。
 もう一羽のコウモリもドズルの隣で逆さまにぶら下がるおんりー。このコウモリは花が好きらしく、よく花畑の辺りで見かける珍しいコウモリだからおんりーと名付けた。おんりーからはいつも花の香りがした。
 それから少し奥に向かうと、紫色のコウモリが地面の上でくるまっていた。このコウモリは僕が最初に見つけた時に怪我をしていたコウモリで、すっかり完治はしているのだがどこか痛むのか、本来のコウモリらしく天井からぶら下がらないコウモリだった。
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