第2章 放課後の楽しみ
そんな窮屈な学校の時間も終わり、僕は唯一楽しみにしているところへ向かう。家に帰る途中からちょっと逸れたところにある雑木林の中にある洞窟。あまり人気がないひっそりとした場所に来ることが僕は好きだった。
そんなある日、傷ついているコウモリを見つけた。車通りが少ないとはいえ道路のど真ん中にいて、最初は黒っぽい塊のように見えたのだ。
そこに近づいて見て見れば、一羽のコウモリが倒れていて、それを囲うように四羽のコウモリがいた。もちろん僕が近付くと周りのコウモリが慌てたり威嚇したりしてきたけど、とにかく道路の端へと倒れているコウモリを連れ出した。
そのコウモリは、羽の根元が傷ついていた。僕はすぐにMOB医さんのところに連れて行くべきだったのだろうが、咄嗟に思いついたのは家にあるMOB用治療キットで、すぐ戻るからと一旦帰宅してそのコウモリの手当てをしたことをきっかけに、僕はこうして雑木林の洞窟の中に行き通っていた。