第15章 アサヒの決断
僕は走った。どうしたのと問いただしてくる姉を振り切って。
あれはどう考えてもぼんじゅうるの鳴き声だった。どういうことなのか分からないが、きっとぼんじゅうるは、林が燃えていることを僕の目の前に映すことで伝えようとしてくれたんだ。
それに、その映像の中には昼間絡んで来たいかにも悪そうなあの男子たちが写っていた。あの映像が見えたということは、ぼんじゅうるに危険が迫っているのではと僕は直感した。
僕は走って林の外に出た。すでに焦げた臭いが周りに漂っていた。
「ギィ……!」
「ぼんじゅうる!」
僕が駆けつけた時には、ぼんじゅうるはあの男子たちのリーダー的存在に鷲掴みにされて周りの見世物にされていた。
「おい、やめろ!」
僕は躊躇わずに叫んだ。暗がりの中、恐らく奴らが放っただろう火だけ周りを照らしていて、互いによく見えた。