第13章 アサヒ目線7
「みんな、大丈夫。僕の知り合いだから」
騒ぎ立てるコウモリたちをなだめ、僕は洞窟をあとにした。後ろでコウモリたちがこっそりとついて来てる気配はしたが、振り返らずに林にやって来たその人物を見据えた。
「アサヒ? そこにいるのはアサヒなの?」
懐中電灯を手にした女の人がそう言って駆け寄ってきた。
「近づかないで……お姉ちゃん」
そう。その人物は、僕の姉だった。
「どうして……?」
姉は僕とある程度距離を取った先で問いかけた。僕は答えた。
「僕は今日はもう帰らないって決めたんだ。だからお姉ちゃんだけ帰って」
「でも、こんな暗いところにずっといたら危ないんじゃ……」
「ギィイ!」
会話を遮るように割り込んで来たのはMENだった。今にも飛びかかる勢いで僕とお姉ちゃんの間までやって来た。
「MEN、大丈夫だから下がって……」
その時だった。