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こちら、MOB飼育係4[dzl]

第7章 MENコウモリ目線


 そうして飛び続けている内に、あの人間を見つけた。どうやら大きな人工物に入って行ったところ、あれが人間の住処らしい。
 人間の住処にはちらちらと小さなMOBが見えた。なるほど。あれらが最近人間の間に流行っている手乗りMOBというやつか。ってあの人間がこっちに近づいてきた?!
「ん……?」
「アサヒ、どうしたの?」
「いや……外から誰かに見られている気がしたんだけど」
 あっぶな……もう少しで俺の姿を見られちまうところだった。
 人間は外を覗き込み、誰もいないことを確認するとまた中に入っていた。さすがの人間も、俺が屋根の上にいるとは思わないだろう。
 ……それにしても人間の作る住処の屋根、なかなかオシャレだな。
 いやいや、今はそんなことを考えている場合ではない。あの人間の名前が「アサヒ」だということは分かったし、一旦帰っておらふくんに教えてやってやるか……ん?
 アサヒがもう一度外に出てきた。今度は大きな窓から外に出てきて、翼のない人間だったら落ちたら危なそうな、枝をいくつも重ねたような縁に寄りかかってため息をついた。
「はぁ……あのコウモリたちのこと、どうしよう」
 その独り言だけで分かった。俺たちのことだ。
「高校に行ったら、もうコウモリたちに会えなくなんだよな……コウモリたちは、寂しいって思うのかな」
 そりゃあ寂しいって思うだろうな。特におらふくんは、君のことを気に入っている。
「う〜ん……」アサヒは俯いた。「学校、行きたくないな」
 俺はその言葉のことはよく分からなかった。だが、心に影があることくらいはコウモリだって分かった。
 俺はその晩、ずっとアサヒの独り言を聞いている内にいつの間にか寝てしまい……気付いたら、翌朝を迎えていた。
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