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いつかの幸せと、今隣で笑う君【NARUTO】

第2章 生きる為に背負う者


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「立てるか?」

カカシさん……、カカシは不思議なくらい私に優しくしてくれる。
いくつもの任務を共にしてきて、何度もその優しさに救われていたが
今日は本当にここに彼がいてくれて良かったと心の底から思っていた

「うん、立てるよ。」

差し出してくれている手を取り立ち上がる

私たちの横には当然のように死体が転がっている
これが暗部では普通なのだ。
しかし久々に殺しまでしてしまった私は取り乱してしまった

人の役に立つ事が、人を殺める事であることも存在するこの世界で
殺めたことによる誰かの不幸が私を襲う

いつの間にか矛盾した事をしてしまっている今が辛くて仕方なかった

それなのに私は、カカシと任務ができる今が幸せだと感じつつある

「私に幸せになっていい権利なんてあるのかな」

そっと手を離し、また死体の方に視線を落とす

こんな事を言われたらカカシは困るだろう
それなのにぽろっと弱音を吐いてしまった
どうしてこの人の前だと私はこんなに弱くなってしまうのだろう

恐る恐るカカシの方を見ると、カカシは寂しそうな顔で私を見ていた

「ごめんね、変なこと言った」

「…いや、そんなことないよ。」

カカシは片手で私を抱き寄せるとまた頭をポンポンと撫でてくれた

カカシの胸元に顔を埋めると爽やかな香りが私を落ち着けてくれる

(いい香りだなぁ…イケメンは香りまでいいのか…)

下心丸出しな自分がおかしくてクスッと笑ってしまう

「何突然笑ってんの、こっちはのことが心配で仕方ないのに」

カカシは私を離してまた髪をわしゃわしゃと撫でる

「あ、ごめん。その…ね、かっこいい人って香りまでいいんだなぁって。良い女は良い香りがするとかいうじゃない?男の人もそうなんだなぁとか思っちゃって」

「…ふーん、の中でオレはいい男なわけか。」

「そりゃ、はたけカカシがいい男じゃないっていう人はいないと思うよ?」

それを聞くと少しカカシは不機嫌そうにする
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