第3章 鳥籠の庭
「さぁ桃弥。お前は私の言いつけを守りそしてを連れてこの村を二度と出ないと約束するんだ。そうすれば、解放してあげるよ」
「だれが…そんな約束……」
杏壱さんに指示された村の男達によって、桃弥さんが拷問を受けていた。
杏壱さんの問いかけを否定する度に、水瓶に繰り返し顔を沈めらて意識が戻ると何度も責め苦を与えられる。
「杏壱さん、もうやめてください…本当に死んでしまいます」
「そうなったとしても、認めない桃弥が悪い」
「私が桃弥さんにここから連れ出して欲しいと言ったのです!」
「はは。君が望んで私から離れるわけないだろう」
縋るように懇願するけれど、杏壱さんは一切動じず桃弥さんを諭す。
「桃弥、お前にも私と一緒にこの家を守って欲しいんだ。もちろんのこともね」
「………俺が守りたいのはだけだ」
桃弥さんは土気色の顔のまま、目だけはいつもの覇気を失ってはいなかった。
「ならば、気が変わるまでそうしていたらいい。、桃弥の世話は君に任せるよ」
そう告げて、杏壱さんは座敷牢を後にした。