第1章 祭りの夜
「、。すまない…俺があの時、無理矢理にでもお前をここから連れ出して置けば良かった」
「桃、弥さん………」
「今度は必ず助けてやる。……だから、俺を見ろ」
その言葉に答えられない私の代わりに、杏壱さんが告げる。
「ふふふ。まるで塔に閉じ込められたお姫様を救う王子様のようだね。まぁ、頑張るといい。でもここにいる限りはは私のだよ……もちろんお前もね」
後ろから杏壱さんに突かれ続かれ、意識が途切れ途切れになる。
夫の優しくて執拗に与えられる快楽と桃弥さんの荒々しくも熱い口付け。
そのどちらも、私を感じさせてくれる。
───なんて、気持ちがいいのだろう。
いつまでも終わらない狂宴に、どちらがどちらかも分からないまま、明け方までそれは続いた。