第6章 その後
その後、別室に移動し、落ち着くまでここにいていいからと私とドズルさんと、なんと帰る予定だったまえよんさんたちも出来ることならなんでもすると申し出てくれて付き添ってくれた。
正直、あの死神を見た直後だったのもあり、守護霊のいる彼らが一緒にいてくれるのは心から頼もしかった。
ドズルさんにも守護霊はいるが、恐らく先程の死神を食い止めてくれたのは四人の守護霊や何かしらの見えない力が作用したのだろうと思われた。見ればヒカックさんの周りにいた魚の守護霊も少し元気がなさそうに周りをふわふわと浮いている。この守護霊も、見えないところで私を守るために何かしてくれたのかもしれない。
「飲み物でも買ってきます」
とぎぞくさんが言って部屋をあとにした。ぎぞくさんから死神が現れたように見えた気もしたが、彼にはやはり周りには何もいない。大丈夫ですかと聞いても、休憩室にある自販機に行くだけだからと言われては止める理由も思いつかずに部屋を後にしてしまった。
「それで、さっきドズルさんが言ってた見えるという話は……?」
と聞いてきたのはヒカックさんだった。先程から魚がたくさんいて目も合わせられなかったのだが、今は数が少ないので落ち着いて話すことが出来た。
「実は私、幽霊が見えるんです……」
と私が言うと、ヒカックさんは分かりやすく驚いた表情を見せ、コハロンさんは声をあげた。
「え、幽霊……?」
「信じられないかもしれませんけど……」
それから私はドズルさんを見やった。ドズルさんは何も言わずにこちらを見つめ返してきた。そこにいるドズルさんの守護霊も、相変わらず優しそうで心を穏やかにさせてくれる気がした。