第6章 その後
私はヒカックさんたちへ向き直ってとうとう言うことにした。
「さっき、死神が視えたんです」
「死神……?」
「はい。死の宣告をしてくるような幽霊です」
そういえば、死神って幽霊なのだろうか。そこまでは調べたことがなかったし、こうしてまた視るまですっかり忘れていたのだから、よく分からなかった。
「それで、ヒカックのところに死神がいたってこと?」
察しがいいのはぽんぴーさんも同じなのか、私がヒカックさんに飛びついた理由を問いかけた。私はそんな感じです、と頷いたところで、ぎぞくさんが飲み物を買って戻って来た。
「ありがとうございます」
「いやいや、大したことないよ」
私は感謝し、ぎぞくさんから飲み物を受け取りながら、もう一度、死神がいたという話をすることとなった。ぎぞくさんもやはり、信じられないと言いたげに驚いた顔をした。
「それで、死神から僕を守ろうとしていたんだって」
とヒカックさんが言い、私は急に恥ずかしくなった。仮にも男女なのだから、ヒカックさんを押し倒そうとしたのは間違いだったかもしれない。
「すみません、急に……必死で……」
「いや、いいよいいよ、大丈夫」
私の謝罪を明るく許してくれるヒカックさん。もしもっと知らない人だったら、とんだ大恥だ。
「で、もうその死神は大丈夫なの?」
と聞いたのはコハロンさんだった。私は頷いた。
「はい。今は大丈夫です」
「じゃあそろそろ俺たちは帰った方がいいか?」
とコハロンさんに言われ、ちょっと私は内心慌てた。
死神は見えなくなったが、この守護霊が強いだろう彼らから今離れても大丈夫だろうか、という不安。私が答えに戸惑っていると、そうだ、とドズルさんがこう提案してくれた。
「せっかくこうしてみんなと交流出来たんだし、連絡先交換してグループでも作る?」
それはいいアイデアかもしれない。とはいえ私に何かあったらすぐ連絡してしまうのも申し訳ない気はするのだけれども、四人は躊躇うこともなく快諾してくれたので、私は連絡先を交換することにした。