第5章 死神
そうして不思議な守護霊を連れているまえよんさんたちのことはそれ以上知ることも出来ないまま、彼らが帰る時間となった。
四人は既に会社見学を済ませていたみたいなので、勉強になりましたと言って彼らを来客用の玄関までお見送りをしている時だった。
最初は、ぎぞくさんの背後から黒いモヤのようなものが視えたように錯覚したのだ。
だがそれはどんどんと大きくなり、錯覚ではないと私が気付いた時には、黒いモヤは大鎌を持った死神へと変化していたのだ。
そしてその死神は、私の方へとどんどんと近付いてきた……!?
「ひゃあっ!」
私は思わず悲鳴をあげてしまって尻もちをついた。死神は、何回か見たことがあった。昔親戚のおじさんが亡くなる前や、祖母が亡くなる前に視たあの死神を。
これは私の死への予告なのだと咄嗟に思った。ドズルさんが隣で大丈夫かと聞いてきたが恐怖で腰が抜けてすぐに立ち上がることが出来なかった。今目の前に死神の大鎌の切っ先が向けられていて、息も出来なかったのだから。
そして、死神がその大鎌を振り上げ、私が思わず目を瞑ってしまった時にそれは起きた。