第4章 彼らの話
まず紹介してくれたのは、この方々は四人でゲーム実況者グループを作った「まえよん」という人たちのようであった。
世間どころか、ゲーム実況者会社に働いている私が他のゲーム実況者さんについて知らないのも恥ずかしい話なのだが、彼らも気のいい人たちで、よかったら動画見て下さい、と言われるくらいに留まった。
そうして他にも色々話を聞いている内に分かったのは、この魚の守護霊を連れているヒカックさんは、このグループのリーダーらしかった。こうしてドズルさんを通して話している間も、ヒカックさんの周りにいる魚が代わる代わる入れ替わり立ち替わりするのでつい視線がそちらに向いてしまい、怪しまれたんだと思われた。私と目が合った瞬間、ヒカックさんにすぐ逸らされてしまったからだ。
そうして目を逸らせば隣にいるコハロンさんという背の高い男性の左右にいる守護霊に気が取られてしまう。彼にはなぜか眩しい光を放つ女性が左右にいて、二人ともコハロンさんを挟んで向かい合うように横向きで居座っていた。
それに、その女性守護霊はなぜか二人とも目を閉じている。
私はどうしてもその不思議さと眩さがよく分からなかった。
一方で、残りの二人にははっきりとした守護霊がいないように見えた。特にヒカックさんとコハロンさんの仲裁役をしに来たぎぞくと紹介されていた方には守護霊がいない。なのでぎぞくさんと会話をする時は落ち着いて話すことが出来た。
「自分で考えてよ」
なんの話をしていたんだったか、コハロンさんにそう冷たく言い放ったのはぽんぴーさんという方だった。この方もまえよんというグループゲーム実況者の一人なのだが、この人には守護霊というより、赤いオーラのようなものがうっすらと彼を包み込んでいた。
守護霊だけじゃなく、とうとう私もオーラが見えるようになったのか? と疑問に思ったが答えが出ることもなく。
コハロンさんもその守護霊たちもぽんぴーさんに対して何か反応することもなく、ああ、そうか、分かったと返事をして会話は終わった。