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あの方々の守護霊は[me4]

第8章 守護霊の正体


「じゃあ、性質ってなんですか?」
 と私が聞けば。
「そうだな、火とか水とか風とか、そういうものよ」と白蛇は答える。「やつはMENと同じ火の性質を持っているのだ。オヌシも見たのだろう? 火の形をしたものを」
「はい、炎の鎖みたいなのが……」
「炎の鎖?」
「はい、そうですけど……」
 何かおかしな点でもあったのだろうか。
 白蛇さんは私から目を逸らして意味深そうに顔をしかめたが、小声でボソリと、そうか、オヌシはそこまで視えないのだなと呟いた。
 何がですかと聞いたところで全てを語らない白蛇さんはとうとう何も言わずに、とにかくやつは火の守護霊がいるのだという話で終わってしまった。
「じゃあ、私やぎぞくさんみたいに守護霊がいないのはなぜですか?」
 と質問を変えれば、白蛇さんはふむと腕を組んで考え込む仕草をした。
「分からぬ。詳しく言えば、オヌシが守護霊がいない理由がの」
「え、私の……?」
「うむ」白蛇さんは頷く。「ぎぞくとやらは、元々自我の力が強い故、守護霊がいなくてもなんとかなることが多いのだ。そういう天性なのだろう」
 ところで、と白蛇さんは私にぐっと顔を寄せてきた。こうされることで、白蛇さんは本当に人間ではないんだろうと改めて感じた。鱗のような艶やかな肌がよく見えたからだ。
「守護霊というのはなぜおるのか、オヌシは考えたことがあるかのう?」
「いえ、そこまでは……」
 守護霊は自ら生者を守りに来ているものだと思っていたが、そこまで調べたことはなかったし、気にしたこともなかった私は首を振った。白蛇さんが残してくれたブックマークの内容にもそこまでは記されていなかった。
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