第10章 まろP
「ってことでこの部屋に呼ばれたんだけど……」
と話すのはぽんP。向かい合うのはまろだ。
「そうそう、俺も、ドズルさんにコラボ撮影するからここに来てって言われて……」
開かない扉の前で二人は呆然と立ち尽くす。
「これ、閉じ込められた……よね?」
「そう、だよね……?」ぽんPの言葉にまろは困惑しながら答える。「まぁとりあえず座って待ってよ。あとでドズルさんが来るだろうし……」
ドッキリとは気付いていない二人は、とりあえずそこにある椅子に座ることにした。ぽんPが手前の椅子に座り、まろが奥の席についてそれに気が付いた。
「……あ」
まろは脱出口上の旗を見つめる。
「何?」
察しのいいぽんPが、一瞬黙ったまろに何かを感じて振り向いた。
そこに書いてある大きな文字。
二人はどちらも、そこに書いてある文字を読まなかった、と思いきや。
「あっはっはっ!」まろが大口開けて笑い出した。「え、俺たちが? ○○しないと出られない部屋に?! あははははっ」
そんな明るいまろとは真反対に、ぽんPの表情は変わらない。
「笑ってる場合じゃないですよ……」
とぽんPは言う。まろはますます笑った。
ひとしきり笑ったあとに(といっても笑い過ぎたのはまろだけなのだが)なぜこの部屋に閉じ込められたのは自分たちだったのかと、二人の論点はそこに集中した。お互い二人で絡むことはそんなにあったっけとか、何か悪いことしたんだっけとか。そのまろとぽんPのボケとツッコミの会話は聞いているだけで面白かったのだが、今回のドッキリ企画には関係ないので大幅にカットされるんだろうな、とドズルは思いながら次の展開を待った。
話を切り出したのはまろからだった。
「それにしてもさ、これ、おかしくない?」
二人の間を挟むようにあるカレーライス。さっきのドッキリではひっくり返されてしまったので、ヒントの紙は皿の横に置くことにしていた。
「むしろおかしいと思わない方がおかしいよね」
とぽんPも言い、それもそうだと笑うまろ。次には隣の紙を手に取ってまろはこれも怪しいよな、と言い出した。