第7章 カズまぐ
「どうしてオラたちをこんなところに閉じ込めたんだろう……」
とまた考え込むカズさんのそばで、次はまぐさんがあの文字に気が付いた。
「あ、これは……カズクラさん、アレ見て下さいよ」
「え?」カズさんは扉から少し離れてまぐさんの指す方向を見上げる。「○○しないと出られない部屋……? なんだって?」
途端にはははっと笑い出すまぐさん。この二人をペアにすると、こういうやり取りが生まれるらしい。すでに面白すぎな展開に、ドズルはカメラ画面を前に笑っていた。
「なんでオラたちをこんな部屋に閉じ込めたんだ!」
と困惑が隠せない様子のカズさん。一方のまぐさんは、笑ってばかりではあるものの、冷静さはしっかりあった。
「アレじゃないの? 一部のマニアなファンのための」
「だから、オラとまぐにぃに?」
まぐさんはまたけらりと笑った。まさかカズクラさんと閉じ込められるとは思いませんでしたよ、と言いながら。
「ほんとだよなぁ……」とカズさんが言い、今度はテーブルの上のカレーライスに目を向けた。「これはなんだ……? カレーか?」
「ああ、カレーライスですね」
なんでこんなところに、と口々に疑問を言葉にする二人。それからまぐさんが、唯一部屋に置いた電子レンジの方を向いた。
「とりあえずカレーライス温めますか。何かの脱出のヒントになるかもしれないし」
「そうだな」
そして、まぐさんはカレーライスを電子レンジに、その間カズさんが周りを探索し始めた。カズさんは本棚からどんどんと本を取り出して探索をするので、片付けが大変そうだなぁとドズルは他人事みたいに考えた。
一方のまぐさんは、カレーライスの皿を持ち上げたことでその下に隠していた脱出のヒントを書いた紙に既に気が付いていた。なんだろう、とまぐさんが紙を裏返して全てを察した。
「カズクラさん、分かりましたよ」
とまぐさんが切り出してカズさんは手を止める。
「何か見つかったか?」
「これですよ、答えは」
カズさんはまぐさんが指し示す紙を覗き込んで大きく目を見開いた。
「ええっ」カズさんは紙を手に取った。「あーんしないと出られない部屋? なんだこれは!」
読み上げながら少し笑っているカズさん。これはちょっと、と笑いが堪えられない様子だ。
それはまぐさんも同じで、カズさんと一緒に笑いつつ、俺らが? と困惑していた。