第7章 カズまぐ
二人を連れ出すのは畏れ多いと思ったけれども、ここはさんだーの手も借りて「お話し合いをしたい」と言ってこの部屋に閉じ込めることに成功した。
ガシャン! と二人が入った瞬間に閉まる鉄の扉。真っ先に騒いだのはカズさんの方だった。
「うわぁ、何なに?!」
と振り向いて引き返そうとしても、感圧板もスイッチもない鉄の扉を、条件なしで開くこともなく。その後ろでまぐさんがどうしたんだと問いただした。
「オラたち、閉じ込められたみたいだ」
「ええ、本当に?」
回路に強い二人でも、入った瞬間強制アドベンチャーモードになるこの部屋では何も出来ないはずだ。二人はあちこちと扉やブロックを叩いてみて、本当に閉じ込められたと悟った。
「オラ、さんだーにお話し合いがあるからここに来たんだけど……」
「カズクラさんも? 俺も俺も」
「ってことは、ここはさんだーのイタズラ部屋なのか?」
察しのいいお二人。半分は当たっている。そうかもな、なんて笑うまぐさんは、どこか楽しげだった。
カズさんはう〜んと考え込む。
「でも、さんだーが回路組んでるのは見たことねーんだよなぁ……部屋の内装はさんだーっぽいんだけど」
「もしかしてこっそり回路の勉強でもしていたんじゃないの?」
カズさんの疑問にまぐさんはそう返す。この前回路について質問してきたこともあったから、レッドストーン系に興味があるのかも、と付け足して。
「いや、さんだー以外にも誰かがイタズラに関わっているのかもしれない」と視線を上げたカズさんの目と、天井のカメラの視界がぶつかった。「あ、アレは監視カメラだ!」
さすがというべきか、カズさんは真っ先にカメラに気が付いた。まぐさんもカメラを見上げて、間違いなくカメラだなと言った。