第6章 きおたい
「そういえば……こんなところにカレーライスが一個だけあるの、おかし過ぎないか?」
「ああ、それは俺も気になっていたんだよな」
とたいたいときおきおはカレーライスを囲む。ラップをしているとはいえ、部屋中にカレーの匂いが充満しているはずだ。
「これ、絶対なんかある。この部屋から出るヒントのはずだ」
「そうなのかなぁ」
勘のいいたいたいは真っ先にそう疑ったが、きおきおは相変わらずのんびり屋さんだ。さらにはこう付け足す。
「カレーライスなんだし、食べればいいんじゃない?」
これはまさか、おらふくんとメッスペアと同じになるのだろうかと思ったが、たいたいがきおきおを制した。
「待て待て、食べたら詰むかもしれないぞ」
「それもそうか」
柔軟なきおきおはそう言って手を止めたが、それでもこの状況があまりよく分かっていないみたいだった。なんでそもそもカメラがあるのか、と呟いている。
「そもそも、俺たちを閉じ込めたいんだったら、手足も縛っていそうだよな……」
アイデアの発想力が強いきおきおが、ふとそんなことを言った。その一言が、ずっと思案に沼っていたたいたいの脳に、刺激を与えたらしかった。
「それもそうだよな」
それで、カメラがあって、○○しないと出られない部屋なら、俺たちにここで何かさせたいんじゃないか、とたいたいもこの考えに行き着いた時、ノイキャンよろしくと言わんばかりの声できおきおが叫んだ。