第1章 クリスマスイブはあなたの為に
楓side
白い雪が舞う
悴んだ指に息を吹きかけるとまたその息も白くなり
冬の訪れを感じる
「寒くなったねぇ〜」
「楓、さっきからそればっかりだね。手でも繋ぐ?」
「寒くなるとそればっかり言っちゃうの。繋ぎません。サイは寒くないの?」
「僕は意外と寒いの強いんだ。ほら遠慮せずにちょっと触ってみてよ」
サイはそう言って手を差し伸べる
そっと右手を乗せるとサイの手はすごく暖かかった
「えっすごい!本当にあったかい」
「でしょ?」
「ごめん、もう少しだけ暖を取らせてください…」
両手でサイの手を取る
「あったか〜…」
「オレの手もあったかいんだけど。」
そんなことをしていると後ろから声がする
「カカシ先生!」
「楓、左手。」
右を歩くサイと逆にカカシ先生は左に来ると私の左手を取る
「えっちょっと!カカシ先生大嘘つき!手冷たい!!!」
「ははっ、バレた?」
私は右手と左手を2人に取られたよくわからない体勢で歩く
「てかちょっとこれ恥ずかしい。どうしてこうなってるの」
でも大好きなカカシ先生と手を繋げるのは嬉しかった
横を向けばサイもカカシ先生も楽しそうにしている
(まぁいっか。)