第1章 クリスマスイブはあなたの為に
怖くなってつい聞いてしまう
「…カカシ先生、遊んでないよね?」
「オレはいつも真剣だよ」
「…本当に?私は本気になっちゃってもいいの?」
恥ずかしくても確認したかった
先生が遊ぶ人だとは思わない
でも、誰にでもこんなことをしていたらと思うと怖かった
「…クリスマスは先生と生徒の関係は解消だからね。そのまんまの意味で受け取ってくれていいよ?」
「…カカシ先生……」
「でもクリスマスが終わったらちゃんと忘れないとね」
「何それ…
そう言いかけると目元を手で隠される
ギシッとベッドが軋む音がするとカカシ先生が近づく
そっと唇にマスク越しの先生の唇が触れた
「こ…こんなの…どうやって忘れたらいいの?」
「マスク越しだからノーカウント」
「先生だって真っ赤じゃん!」
「…オレもドキドキしてんの。そもそも楓はなんで避けないの」
「そ、そんなの…」
「受け入れたって事はそういうことでいいの?」
「な、なんでそんな意地悪ばっかり…!」
カカシ先生を思いっきり押すと私が先生を押し倒したような体勢になる
「ノーカウントなんだよね?今は私、生徒の立花楓じゃなくて、1人の対等な人間なんだよね?」
「えっ?」
「私だって先生のこと大好きなんだもん、こんなことばっかりされて忘れるの難しいもん!だから、やり返す。」
カカシ先生の近くに顔を持っていき、唇を重ねる
絶対忘れないでよね。私は忘れられないんだから
「…やられたな、こりゃ。はぁ、今からクリスマスが終わるの鬱になる」
私は本当はカカシ先生と両思いなんじゃ?
そんなことをどうしても期待してしまう
「もう今日私遠慮しないことにした。好きなだけ好きなこと言っちゃうしやっちゃうからね!」
いつも生徒と先生って関係に悩まされて
ずっと隣にいるのに届かないんだもん
「…いいよ、今日はオレの恋人なんだから。オレも今日は1人の男として言っていい?」
「うん?」
「ごめんな、オレ、楓の事めちゃくちゃ好き。」
あぁ、もう……
私のあの必死な片想い期間はなんだったのか
今日が夢?
クリスマスイブってそういうもの?
なんでもいいか、クリスマスイブだから。
だから今日は…両思いって勘違いしちゃったって許されるよね
そっと手を繋ぎながらその日は眠りについた