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妖人恋
第2章 名も無き
私が初めて見た最初で最後の"幽霊族"だった
✿✿✿
ザああああ····
ばしゃばしゃ
「····」
雨が降る夜
季節は冬から春先に近い夜
雨が降る中私は何かの気配を感じ傘もささず外を走る
ばしゃ····
「はぁ··はぁ··」
ザああああ···
雨音のする夜
梅の蕾から桜になる手前の木の下で
誰かが倒れていた
✿✿✿
『えーん··えーん···』
おぉ、また夢を見ておるのか
妻を探してる時からずっと見ておる
何とも悲しい
ふっ
「··思い出じゃ」
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