第3章 ちりぢり
ばしゃばしゃ
「····」
雨の夜墓場から生まれた化け物の赤ん坊
災いの元となるから俺は墓石に叩きつけようとしたが
『のぉ、水木』
桜の下。誰かが俺を呼ぶ声が聞こえたと同時に
(この子は"希望の子"と感じたから家に連れて帰る)
「ふぎゃ!ふぎゃ!」
「あぁ。冷たいよな、中に入ったら乾かしてやるからな」
✿✿✿
「と言う訳だよ」
「お?」
「あぶぶ」
「あんたも働いて私も少しずつだけど働き出してる、流石に赤ん坊を1人にさせるのは良くないから面倒見てくれる人を頼んだからね」
「いや、母さん。俺達も大変な時に雇い人とか。」
「それが支払いはいらないって言う人なのよ、今は誰もが助け合う時だって」
「···」