第11章 ハンター試験④
どんどん鋭くなる痛みで顔が青ざめていくサクラにヒソカが気付いた。
「おや?サクラ、顔色が悪いねぇ◆大丈夫かい?」
「サクラ?」
(イルミとヒソカが何か言ってるのに…聞こえない…なんで?)
『っあ……う…』
「サクラ?どうしたの?聞こえてる?」
(声がうまく出せない…なに、これ…)
『い…、み……』
「っ!?サクラ、何それ…」
大きな丸い目を更に大きく開いたイルミの目はサクラの足元を見ていた。
つられるようにサクラとヒソカが視線を下げる。
「!?」
『…っ!?』
サクラの足元が消えかかっていた。
『う…っ』
容赦なく襲う頭の痛みに、サクラは遂に耐えきれなくなり両膝をついて頭を抱える。
(自分の身体じゃないみたい…頭はすごく痛いのに、他の感覚がない…)
『た、す…け』
「サクラ!」
只事ではないその様子に、イルミはサクラの身体を起こそうと肩を掴んだ
はずが、イルミの手は空を切った。
「サクラ?どこ?」
サクラは姿を消した。