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【H×H】ずっとそばにいて【イルミ】

第19章 無自覚 × 集結 × 捕獲 ★





「…ん?イルミから……何?」


クロロは携帯に届いたメールを見て目を見張る。


[例のやつに捕まった。こっちは何とかするから元々の作戦通りにして]


イルミからのメールにはそう書いてあった。


[サクラは無事なのか?]

[無事]

[今どんな状況だ?]


そう返信するがその後イルミからメールが届くことはなかった。
イルミに限って失敗することはないだろうと思っていたが、これは何か不測の事態が起きたのだろうと感じ取る。


(相手も能力者だ、だが…何があった?)


「団長?どうしたの?」


シャルナークがクロロの様子をみて声をかける。


「サクラとイルミが何者かに捕まったようだ。」

「え!?」

「メールで連絡が来たから行動が制限されている状況ではなさそうだが…」

「早く助けに行かないと…!」

「…いや、イルミは何とかすると言っている。こっちは予定通りに動く。」



本当ならすぐにでも探しに行きたい。イルミは問題ないだろうがサクラのことが心配だ。
しかし、今は“クロロ“ではなく“団長“だ。自分の都合で団員たちを動かすことはできない。


幻影旅団は予定通りオークションへ行くこととなった。







────────




『イルミ…』

「どうしたの?」

『ごめんね、私が変な提案したから…』

「サクラのせいじゃないよ。どちらかといえばオレのせい。初動が遅れた。」

『そんなこと…っ』

「…大丈夫、オレがサクラを守るから。心配いらない」


そう言って肩を抱き寄せてくれるイルミ。
優しい言葉に胸が痛む。イルミのせいだなんて、絶対そんなことないのに。でもきっと、私が何を言ってもイルミは大丈夫って言うんだろうな。
そう思ったら鼻の奥がツンとして泣きそうになり、イルミに気付かれたくなくて俯いた。


(暗くてよかった…)


イルミはそれに気付いているのか、肩を抱いていた手でサクラの頭を引き寄せて自分の胸に抱き込み、ぽんぽんとずっと優しく撫でていてくれた。

しばらくそうしてお互いに寄り添っていると、ぐらりと空間が大きく揺らめいて目の前が真っ白になった。


(眩し…っ)


思わず目をつぶってイルミの身体に顔を埋めて離れないようにしがみ付く。




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