第19章 無自覚 × 集結 × 捕獲 ★
思いが通じ合った翌日。
サクラが目を覚ましたのはお昼前だった。
サクラはともかく、イルミまで珍しく遅起きだ。カーテンを開ければ空は抜けるような青空。日差しが眩しい。
『イルミおはよう!すっごくいい天気だよっ!』
「ん…サクラ?」
『イルミったら珍しくお寝坊さ…うわっ!』
イルミの傍まで近づいた途端、ぐいっとベッドに引き込まれた。
ちゅっ
「おはよう」
『…お、おはよ』
不意打ちのキスにサクラは顔が熱くなるのを感じた。
「そんな顔されたら止まらなくなるよ?」
『だ、だめだめっ!』
「えーダメ?」
『そんなかわいく言ってもだーめっ!昨日あんなに…ぶつぶつ』
「え?なに聞こえない」
『なんでもない!それよりさ、お出かけしようよ!今日すごくいい天気なの!ねっ?』
どうにかしてイルミの腕から抜け出そうともがくサクラ。しかしびくともしない。
「やだ。まだこのままサクラと寝たい」
そう言ってサクラのおでこ、瞼、頬、唇にとキスを降らせる。
(イルミが甘いんですけど!)
「ねぇサクラ、今日は仕事もないしこのままゆっくりシよう?」
『な、なんか、しようの言い方が気になる…』
「そう?」
pipipipipi…
『あっほら携帯!イルミのじゃない?鳴ってるよっ!』
「ちっ」
あからさまに不機嫌な舌打ちにサクラは苦笑いを浮かべる。
「…何?今忙しいんだけど」
《おや◆ご機嫌ナナメかい?》
「用がないなら切るよ」
《くっくっ★イルミに仕事の依頼がきてるんだよ★》
「は?なんでヒソカに?」
《依頼人がクロロだからね★》
(あ、イルミの眉がぴくってした…怖っ!)
「…断る」
《そう言うと思ったよ◆でもキミは断れない、なぜなら…》
「…ふーん、わかった。その代わり報酬はいつもの3倍ね」
《クロロに伝えるよ◆あ、それから》
「何、まだ何かあるの」
《サクラも連れて来いってさ★》
「……」
(あ、また眉毛ぴくって…ヒソカやめてよ!何の話をしてるのよ!イルミを怒らせないでぇぇ!)