第16章 イルミの気持ち ~閑話~
「…ヒソカからサクラが戻ってきたって聞いて、すぐにでもオレのところに来ると思ってたけどサクラは違ったんだね。早く会いたいって思ったのはオレだけだったんだ。」
『!! ちがっ「何が?何が違う?そこの男と手を繋いで楽しそうに歩いてたのはお前だろ?何が違うの?」』
オレは間違ってない。ねぇサクラ?
早く納得できる言葉をちょうだい。謝るんじゃなくて。
じゃなきゃオレ…。
『イルミ…私もイルミに早く会いたいって思っていたのは本当だよ。信じてほしい。でも、クロロに引き止められて断らなかったのも私だから…』
本当はわかってる。
そこの男のせいなんだってことぐらい。
でも…
「へーそう。じゃあなに?サクラはオレに会いに来るのを後回しにしてその男といることを選んだんだ。」
オレは卑怯だね。こんなことサクラが答えられないのわかってて聞いてる。
『っ……』
ほらね。
「沈黙は肯定と取る。」
嘘でもいいから否定してよ。
そうしたら許すから。
『……』
ああ、そうか。
もう遅かったんだ。
離れた時間が長すぎた。
オレは、ただサクラに傍で笑っていてほしかっただけなのに。こんな気持ちになるくらいなら早くサクラを殺しておけばよかった。
…あ、殺せないんだった。馬鹿だなぁ。
やっぱりオレは何も望んじゃいけなかったんだ。
もういい。今からでも遅くない。
殺せないなら忘れよう、こんなもの。
「…あっそ。もういいや。」
「じゃあね。」
ばいばい。
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